音楽理論講座

はじめに

 「音楽理論講座」なんて堅い感じのタイトルですが、"必要な項目だけを短く簡単"に作ったつもりです。 作曲してみたいけど和音とか分かんない、という方に見ていただければと思います。 なので、内容は"超基礎"的なものとなっているので悪しからず。 説明で使う音楽用語はクラシックの表記を主に使用しますが、ポピュラー系にも対応出来るように「音階(スケール)」のような書き方をします。

 自分自身、独学&自己流だったりするので、きちんと勉強された方からすると「ソレチガウ、オカシイ」って部分があるかもしれませんがご了承下さい。

目次

  1. 基礎知識
  2. 音階(スケール)と調(キー)
  3. 三和音(トライアド)
  4. 主要三和音(スリーコード)
  5. 和音進行(コード進行)~その①~
  6. 和音進行(コード進行)~その②~

1.基礎知識

音の名前

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 一般的に使われている「ド レ ミ ファ ソ ラ シ」はイタリア語です。 そして、必ず知っていただきたいのが英語での呼び方。 英語では「C D E F G A B」と呼びます。 これは後々、和音名(コードネーム)で重要になってきますので覚えておいて下さい。「Cメジャーコード」のように使います。

 そして日本語では「ハ ニ ホ ヘ ト イ ロ」です。 これは特に覚えなくてもいいのですが、僕はクラシックから入ったので「ハ長調」「ト短調」のように音階名で使ってます。 長調(メジャースケール)や短調(マイナースケール)については音階の項目で説明します。

 英語、日本語ともに「ラ」の音から「A B C・・」「イ ロ ハ・・・」と始まってますよね。 なぜ「ド」からじゃないのか疑問に思うかもしれません。 それはオーケストラでチューニングする際に、弦楽器は「ラ」の音を使用するので、元々は「ラ」が基準音だったためだとか・・・ 現在はあたかも「ド」が基準のように扱われていますが、昔は違っていたようですね。

全音と半音

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 次に全音と半音についてピアノの鍵盤で見てみましょう。 基準の音から見て"すぐ隣の音"が半音、"一つ鍵盤を飛び越した音"が全音の間隔です。
 「ド」から見てすぐ隣の「ド♯(レ♭)」は半音であり、それを飛び越した次の「レ」が全音ということです。 同じく「ミ」を基準にすると、すぐ隣の「ファ」は半音で、次の「ファ♯(ソ♭)」が全音です。

 ※♯(シャープ)は半音上、♭(フラット)は逆に半音下という意味の記号です。なので「ド♯」と「レ♭」は同じ音を表します。 ちなみに日本語で♯は「嬰(えい)」、♭は「変(へん)」を使います。(例:変ホ長調)

2.音階(スケール)と調(キー)

 ピアノを見ると鍵盤(音)がたくさん並んでいます。 ここから音を選んで曲を作るわけですが、どの音を使えばいいか分かりませんよね。 そこで、たくさんの音の中から曲で使う音を絞ってやります。それが音階(スケール)です。

 出来上がった音階(スケール)にはハ長調(Cメジャースケール)とかイ短調(Aマイナースケール)といった名前が付きます。 それを調(キー)といいます。 ここでは基本的な二種類の音階の作り方を説明します。

長調(メジャースケール)の作り方

  長調は明るい響きを持つ音階で、明るい曲を作るときに使用します。 それでは、ピアノの白鍵盤の音のみで作られているハ長調(Cメジャースケール)を例に見てみましょう。

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 ハ長調(Cメジャースケール)というのは、「ハ(C)」つまり「ド」から始まる長音階ということです。 「ド」から始まって「レミファソラシド」と一つ上の「ド」に辿り着いたら、そこから上はまた同じように進んでいきます。 「ド」からどのように音が続いていくのか、前の項目で説明した「全音」と「半音」を使って分析してみましょう。

 「ド」と「レ」、「レ」と「ミ」、「ミ」と「ファ」・・・各音の間隔を見てみると上の図のようになりますね。※全は「全音」、半は「半音」のことです。
 「全」と「半」を始めから繋げて読んでみると「全・全・半・全・全・全・半」と並んでいることが分かります。 つまり、この並びが長調の音階の並びなのです。

 ○長調を作りたい場合、○の音から「全・全・半・全・全・全・半」と並べれば作ることが出来るということです。 では試しにニ長調(Dメジャースケール)を作ってみましょう。 「ニ(D)」、つまり「レ」から先ほどの音の並びを適用させます。

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 ニ長調(Dメジャースケール)は「レ ミ ファ♯ ソ ラ シ ド♯」となります。 「ファ」と「ド」が♯している音階ということが分かりますね。

短調(マイナースケール)の作り方

 短調(マイナースケール)は逆に暗い響きを持つ音階で、暗い曲を作るときに使用します。 これも長調と同じく音の並びが存在するので、それを覚えれば作ることが出来ます。 それでは、ピアノの白鍵盤の音のみで作られているイ短調(Aマイナースケール)を例に見てみましょう。

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 イ短調(Aマイナースケール)は「イ(A)」、つまり「ラ」から始まる短音階です。 長調のときと同じように「全音」と「半音」を使うと・・・ 「全・半・全・全・半・全・全」と並んでいることが分かります。 これが短調の音の並びなので、これを覚えれば短調を作ることが出来るようになります。

  では試しにハ短調(Cマイナースケール)を作ってみましょう。 「ハ(C)」なので「ド」から先ほどの並びを適用させます。

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 ハ短調(Cマイナースケール)は「ド レ ミ♭ ファ ソ ラ♭ シ♭」となります。 「ミ」「ラ」「シ」が♭になっている音階だと分かりますね。

3.三和音(トライアド)

 音を縦に積み重ねることで和音(コード)ができます。 これにも明るい・暗いがあり、積み重ね方によって変わってきます。 ここでは3つの音を積み重ねた基本的な三和音(トライアド)について説明します。

長三和音(メジャーコード)の構成

 長三和音(メジャーコード)は明るい響きを持った和音です。 Cメジャーコードを例に、構成を見てみましょう。

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 Cメジャーコードは五線譜と鍵盤で表すとこのようになっています。 五線譜を見ると、C(ド)の音を根っこにして音符が団子のようにくっついて重なっていますね。これが三和音の基本的な形です。 そして、根っこになっているC(ド)の音のことを「根音(ルート音)」と言ったりします。 また、楽譜上の「C」は和音名(コードネーム)で、「Cメジャーコード」のことを表します。

  次に鍵盤の方を見てください。 根音(ルート音)と真ん中の音との間隔を見ると、半音3つ分開いていることが分かりますね。 実はこの間隔が重要で、半音変わるだけで短三和音になったりします。 次に短三和音を見てみましょう。

短三和音(マイナーコード)の構成

 短三和音(マイナーコード)は暗い響きを持った和音です。 長三和音と比較するために、同じくCを根音(ルート音)にしたCマイナーコードの構成を見てみましょう。

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 C(ド)を根っこに団子のように重なっているのは長三和音と同じです。 楽譜上では「Cm」と書くことで「Cマイナーコード」のことを表します。「m」がマイナーの意味です。

 長三和音(メジャーコード)との一番重要な違いは、根音(ルート音)と真ん中との間隔が半音2つ分になっているという点です。 つまり、この真ん中の音によって"明るい暗い"が決定するのです。

長三和音(メジャーコード)と短三和音(マイナーコード)の作り方

 それぞれの構成を理解すれば簡単です。 ○メジャーコードを作りたいのであれば、○を根音にしてあと2つの音を団子のように積み重ね、根音と真ん中の音との間隔が半音3つあればよいのです。
 ○マイナーコードの場合も同じようにして音を積み重ね、根音と真ん中の音との間隔を半音2つにすれば作ることが出来ます。

4.主要三和音(スリーコード)

 主要三和音(スリーコード)とは、その調で重要となる3つの三和音のことです。 これまでに説明した音階(スケール)と三和音(トライアド)を合わせることで見えてきます!

長音階(メジャースケール)での主要三和音(スリーコード)

 まずは使用する長音階(メジャースケール)を決めましょう。今回は分かりやすいハ長調(Cメジャースケール)を使います。

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 これがハ長調(Cメジャースケール)です。ピアノの白鍵盤のみを使用する音階(スケール)ですね。 何も考えずに各音に2つ音を積み重ねて三和音にしてみましょう。

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 こんな感じになります。ハ長調(Cメジャースケール)ではこの7つの三和音(トライアド)を作ることが出来ます。 楽譜上部に書いているのがそれぞれの和音の和音名(コードネーム)です。 「m」が付いてるのがマイナーコードで、何も付いてないのがメジャーコードでしたね。(Bdimは今は無視して下さい) 下部はローマ数字で始めから順番に番号を付けているだけですので、特に難しく考える必要はありません。

 長音階(メジャースケール)は明るい音階でしたね。なので明るい和音である長三和音(メジャーコード)を主に使います。 出来上がった7つの和音から長三和音(メジャーコード)を探すと・・・「I」「IV」「V」の「C」と「F」と「G」だと分かります。 つまり、その調の「I」と「IV」と「V」の和音が主要三和音(スリーコード)なのです。 これは全ての長音階・短音階に当てはめることが出来ます。

 音階の項目で作ったニ長調(Dメジャースケール)も同じように見てみましょう。

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 ニ長調(Dメジャースケール)はD(レ)から始まって、「ファ」と「ド」が♯している音階でしたね。 なので、楽譜には最初に「ファ」「ド」の2つ♯が付きます。これを「調号」といいます。

  この音階でも先ほどと全く同じで「I」「IV」「V」の和音が主要三和音(スリーコード)ですので、「D」「G」「A」だと分かります。

短音階(マイナースケール)での主要三和音(スリーコード)

 短音階(マイナースケール)でも全く同じで、「I」「IV」「V」の和音が主要三和音(スリーコード)です。 こちらは短三和音(マイナーコード)が主要三和音(スリーコード)になります。 ではイ短調(Aマイナースケール)で見てみましょう。

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 イ短調(Aマイナースケール)はA(ラ)から始まるピアノの白鍵盤のみを使用する短音階(マイナースケール)でしたね。 「I」「IV」「V」の「Am」「Dm」「Em」が主要三和音(スリーコード)だということが分かります。 他の短音階(マイナースケール)も同じです。作ってみてください!

5.和音進行(コード進行)~その①~

 音階(スケール)と三和音(トライアド)を知り、それらを合わせることでその調で重要となる主要三和音(スリーコード)を見つけることが出来ましたね。 今回はその主要三和音(スリーコード)を使った基本的な和音進行(コード進行)について説明します。 和音(コード)を繋げていくことで曲の骨組みを作っていきます。

主要三和音(スリーコード)を使った基本的な和音進行(コード進行)

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 では、主要三和音(スリーコード)の各和音をどのように繋げていけばいいのか、上の図を見てください。 「I」からは「IV」「V」どちらにも進むことが出来ます。「IV」からは「I」「V」どちらにも進むことが出来ます。「V」からは「I」にしか進むことが出来ません。 これをどんどん繋げていきます。
 少しややこしいかもしれませんが、「V」からは「I」にしか進むことが出来ないこと以外は自由なんです。 もちろん、「I」から「I」のように同じ和音を繋げてもOKです。
 また、主要三和音(スリーコード)の中で最も安定感があるのは「I」の和音です。 なので、曲の始めや終わりを「I」にすることで調をはっきりさせたり、終止感を出すことが出来ます。

 では、ハ長調(Cメジャースケール)で実際に試してみましょう。 ハ長調(Cメジャースケール)の主要三和音(スリーコード)は「I」が「C」、「IV」が「F」、「V」が「G」でしたね。 例として「I→IV→V→I」と繋げてみましょう。

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 今回は4分の4拍子で1小節ごとに和音を繋げました。 でもこれではただ並べただけですし、CからF、GからCへ進行するときに音が飛躍しているのも気になるので少し動かしてみましょう。

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 飛び上がっている音を下げてなだらかな音の流れになりました。 FとGはそのままでCの音を上げてやってもいいと思います。

 それではこれにベースとメロディーパートを加えて曲らしくしてみましょう。

 他のパートでは基本的に、その時点で鳴っている和音(コード)に含まれている音を使えばOK。(1小節目ならCが鳴っているので「ド、ミ、ソ」を使う) ベースは根音(ルート音)を鳴らすことで安定します。先ほど音を移動させましたが、根音は変わりません。Cなら「ド」、Fなら「ファ」、Gなら「ソ」です。 メロディーもその時点の和音(コード)の音を中心に使いつつ自由に作ってみましょう。

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 こんな感じで、だいぶ曲らしくなってきました。 ドラムやギター等を加えたり、さらに和音(コード)を繋げていけばもっと曲らしくなっていきます。

6.和音進行(コード進行)~その②~

 前回はハ長調(Cメジャースケール)の主要三和音(スリーコード)で和音進行(コード進行)を作りました。 でも、C、F、Gの3つだけを使っていてはやはり物足りないでしょう。 今回はもう少し使える和音(コード)を増やします。

平行調を知ろう

 音階(スケール)の項で、ハ長調(Cメジャースケール)とイ短調(Aマイナースケール)を扱いましたが、 この二つの調をよく見ると、全く同じ音(ピアノの白い鍵盤のみ)を使っていることが分かります。始まりの音が違うだけです。 この二つの調の関係を平行調といいます。(調号が同じで平行に移動しただけ、という感じ)

 ハ長調(Cメジャースケール)の平行調はイ短調(Aマイナースケール) イ短調(Aマイナースケール)の平行調はハ長調(Cメジャースケール)、といえます。

平行調の見つけ方

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 ハ長調(Cメジャースケール)は「ド」、イ短調(Aマイナースケール)は「ラ」が始まりの音でしたね。 それぞれの音の間隔を見てみると、半音3つ分開いていることが分かります。 つまり、長調(メジャースケール)の始まりの音から半音3つ下がった音から始めれば短調(マイナースケール) 短調(マイナースケール)の始まりの音から半音3つ上がった音から始めれば長調(メジャースケール)なのです。 これは全ての調(キー)で適用できます。

平行調の主要三和音(スリーコード)を使う

 平行調を見つけたことで何が出来るかというと、その平行調の主要三和音(スリーコード)を"代わりに"使うことが出来るのです。 ハ長調(Cメジャースケール)と、その平行調のイ短調(Aマイナースケール)で見てみましょう。

  ハ長調(Cメジャースケール)

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 イ短調(Aマイナースケール)

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 ハ長調(Cメジャースケール)の主要三和音(スリーコード)は「C」「F」「G」 イ短調(Aマイナースケール)は「Am」「Dm」「Em」でしたね。
 ハ長調(Cメジャースケール)で和音進行(コード進行)を作る際、「I」に「Am」、「IV」に「Dm」、「V」に「Em」を代わりに使うことが出来るのです。
 逆にイ短調(Aマイナースケール)の場合も同じで、平行調のハ長調(Cメジャースケール)の主要三和音(スリーコード)を使えます。

 では、ハ長調(Cメジャースケール)で「I→IV→I→V→I」という進行を作ってみましょう。 まずは普通にハ長調(Cメジャースケール)の主要三和音(スリーコード)で繋げてみます。

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 2小節目「IV」と、3小節目「I」を平行調であるイ短調(Aマイナースケール)の「IV」と「I」に代えてみましょう。

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 短三和音(マイナーコード)が入ったことで、雰囲気が少し変わります。 代わりの和音(コード)を使用しましたよってことで、ローマ数字を小文字にしてみました。

  次に飛躍している音をオクターブ上げ下げして、なめらかに進行するようにしてみます。

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 あとはメロディーやベースなどを加えて曲にしていきます。

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 このような感じに出来上がりました。 和音進行(コード進行)を作ってしまえば、あとはそこで鳴っている和音(コード)の音を使って思うがままに作っていけばいいんです。 他の調(キー)でも同じようにして出来るので、とにかくたくさん作ってレベルアップしていきましょう。

おわりに

 簡単ではありますが、音楽理論講座は以上となります。 スケール、コード、コード進行にはまだたくさん種類がありますが、それは基礎を理解した上でのものだと思うので、今回は割愛させていただきました。 自分も全て理解している訳ではないですが、機会があれば応用的な感じで追加していこうかなと思います。

  拙い文章ではありましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。 質問疑問等あれば、メールなりブログコメントなりで下さい。